廃車に使われるプレス機が、単なる圧縮装置ではなく資源を生み出す起点だと知っていますか?廃車処理の現場では、成型、破砕、再資源化といった工程の中で、プレス機が果たす役割が年々大きくなっています。
とはいえ、どのプレス機がいいのか、三方締と二方締の違いがわからない、中古でも大丈夫なのかといった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。しかも導入を間違えれば、数百万円単位の損失につながることも。プレス機の選び方は、処理対象の寸法や金属のタイプ、圧縮能力、設置環境などによって全く変わるため、現場の実情に即した判断が求められます。
この記事では、サイクル法に基づく適正処理の考え方、機械ごとの性能比較まで、現場で使える知見をプロの視点で解説します。読めば、自社のリサイクル工程に合った最適なプレス機が明確になります。廃車をただのスクラップにしないために、設備選びと処理工程の最適化を今すぐ見直してみませんか。
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廃車におけるプレス機とは
自動車は、走行できなくなった時点で廃車として扱われ、その後、適切な過程を経てリサイクルされます。この一連の流れには、多くの専門設備や機械が関わっていますが、中でも中心的な役割を担うのがプレス機です。プレス機は、自動車の骨格や部品を圧縮してスクラップとして運びやすくし、再資源化へとつなげるための重要な装置です。
まず初めに行われるのが、タイヤやバッテリー、フロンガス、エアバッグなどの危険物や再利用可能部品の取り外しです。これらの部品はそのまま処理することができず、特にフロンガスやエアバッグは法的に分離・処理が義務付けられているため、資格を持った技術者による作業が必要になります。
次に行われるのが油脂類の抜き取りです。ガソリン、エンジンオイル、ブレーキオイル、冷却水などを回収し、これらを適切な方法でリサイクルまたは廃棄処分します。この時点で、車体は燃料や潤滑油などの液体を含まない状態となり、初めてプレス工程へ進む準備が整います。
プレス工程では、自動車を金属塊としてコンパクトに圧縮するためにスクラッププレス機と呼ばれる専用機械が使用されます。一般的には油圧式の三方締プレス機が多く使用されており、車体全体を数トン以上の圧力で一気に押しつぶします。この圧縮によって、体積が通常の約4分の1から5分の1まで小さくなり、輸送コストや保管スペースを大幅に削減できるというメリットがあります。
以下に、自動車解体からプレス機による圧縮までの主な流れを示します。
自動車スクラップ処理の流れ
処理工程 |
内容 |
使用機械・処理設備 |
危険物・部品の取り外し |
タイヤ、バッテリー、フロン、エアバッグ、貴金属、再利用部品 |
専用リフト、工具、エアバッグ処理装置 |
液体抜き取り |
ガソリン、エンジンオイル、ブレーキ液、冷却水など |
ドレン機、油回収装置 |
フレーム分解(必要に応じて) |
一部の車種や構造によって分解作業が必要 |
電動カッター、エンジン吊り上げ機など |
プレス処理 |
全体を圧縮してスクラップ化(体積4〜5分の1に縮小) |
スクラッププレス機(油圧式、三方締) |
破砕・リサイクル |
シュレッダー破砕後、鉄・非鉄金属やプラスチックに分別して再利用 |
スクラップシュレッダー、ナゲット処理機など |
この一連の工程の中で、プレス機は圧縮処理という中心的な役割を担い、再資源化へ向けた準備を整える装置として欠かせない存在です。
読者の中にはプレス機はどのくらいの力で圧縮するのか、使用には資格が必要か中古で導入できるのかなど、さまざまな疑問を持っている方もいるでしょう。実際、スクラッププレス機の圧縮力は150トン〜300トンクラスが主流であり、メーカーによっては400トン超のモデルも存在します。また、スクラップ処理機械の運転に法的な資格が必要となる場合もあり、地域や施設の種別によって異なる規定が定められています。
また、近年は小型化されたスクラッププレス機や、アルミ缶や段ボールなど軽量物専用の圧縮機も登場しており、用途に応じた柔軟な機種選定が可能です。木村プレスやモリタ環境テックといったメーカーが提供する機種では、自動車だけでなく鉄・非鉄・雑品金属への対応も強化されており、今後ますます多用途化・高機能化が進むと見られています。
種類別に見るプレス機の特徴
スクラッププレス機を導入する際に最も重要な判断材料のひとつが圧縮方式の違いです。なかでも代表的な構造として知られているのが三方締タイプ、二方締タイプ、そして小型圧縮機です。これらは一見すると似たように見えますが、構造、処理能力、そして用途において大きな違いがあります。用途や業務規模に合わせて適切なタイプを選定することは、コストパフォーマンスの最大化や現場効率の向上に直結するため、慎重な検討が必要です。
三方締プレス機は、前方・左右・上部の三方向から同時に圧力をかける構造を持つ圧縮方式で、現在の日本国内において最もスタンダードな大型スクラップ処理機です。車両のような重量物や複雑な構造体に対応できることから、自動車解体業者や金属リサイクル事業者などで多く導入されています。プレス機による圧縮効率が非常に高く、処理後の成型寸法も均一で、トラックへの積載や出荷時の梱包効率を大幅に向上させる効果があります。また、プレス機の内部構造に鋼製の耐摩耗板を使用することで長期間の耐久性も確保されており、長期的な運用を前提とした選択肢として非常に信頼されています。
二方締プレス機は、左右からの圧力で成型を行う構造で、三方締に比べて構造がシンプルなため、機械自体の価格が安価であることが特徴です。圧縮力に関しても一定の能力は備えていますが、自動車のような重構造物には若干のパワー不足が懸念されます。そのため、主に一斗缶や軽量金属、アルミスクラップ、雑品類といった比較的軽量かつ構造が単純な素材の処理に適しています。部品点数が少ないためメンテナンス性が高く、スペースも比較的少なく済むことから、中小規模の事業者に向いています。
小型プレス機は、段ボールやアルミ缶、ビニール、空き缶、ペットボトルといった軽量廃棄物を対象に設計された、最もコンパクトなタイプの圧縮機です。主にスーパーや倉庫、小規模事業所などで導入されており、限られたスペースでも設置しやすいことが大きな利点です。近年では環境配慮の観点から廃棄物の減容化が求められる中で、企業の脱炭素経営を支えるツールとしても需要が高まっています。圧縮能力は大型機には劣るものの、使用目的が明確な場合には十分な性能を発揮し、電気代や初期導入費用を抑えることができます。
それぞれのプレス機の仕様と導入適性を明確にするために、以下の比較表にまとめます。
スクラッププレス機のタイプ別比較
タイプ |
圧縮方式 |
主な対象素材 |
圧縮能力(目安) |
設置スペース |
特徴と導入適性 |
三方締プレス機 |
三方向圧縮 |
自動車、鉄骨、鋼材など重量スクラップ |
200〜400トン |
広めの敷地が必要 |
高圧縮力、成形安定、耐久性、リセール◎ |
二方締プレス機 |
左右圧縮 |
一斗缶、雑品金属、軽量スクラップ |
50〜150トン |
標準的な設置が可能 |
コスト低、設置簡易、保守しやすい |
小型プレス機 |
上圧縮 |
段ボール、ビニール、アルミ缶など |
10〜30トン |
狭小スペース対応可 |
静音、省エネ、小規模業務向け |
導入時には、単に処理したい素材だけを基準にするのではなく、どのくらいの処理量を想定しているか、設置場所は屋外か屋内か、搬入・搬出の動線がどうなっているかといった要素も加味することが重要です。また、電気容量や排水・排気設備の整備状況、近隣への騒音対策の必要性も忘れてはなりません。
たとえば、鉄 プレス機を使用して解体車両を日常的に処理する現場では、三方締タイプの高圧縮モデルが適しています。処理能力の大きさと成型の美しさが求められるため、圧縮力と耐久性が重視されます。一方で、スクラッププレス機 価格を抑えつつ、アルミ缶プレス機 業務用のような処理対象に対応するのであれば、二方締や小型機が現実的な選択です。
廃車前の工程の重要性について
自動車のスクラップ処理において、圧縮プレスの工程が完了した後も、その車体はそのままゴミになるわけではありません。実際には、圧縮された車体はさらに複数の工程を経てリサイクル資源として生まれ変わる道をたどります。現代のリサイクル技術は非常に高度化しており、廃車プレス機で処理された自動車も、適切な手順で再資源化されることで再び社会の中で有効活用されるのです。
まず、プレス処理されたスクラップは、破砕工程へと送られます。ここではスクラップシュレッダーと呼ばれる大型破砕機が使用され、圧縮された車体を細かく粉砕していきます。この工程では、車体の金属や樹脂、繊維などが混在した状態で破砕されるため、破砕後の処理が非常に重要になります。
破砕されたスクラップは、次に磁選工程へと進みます。この工程では、磁力を使って鉄系金属を選別します。鉄素材は再利用価値が非常に高く、鋼材や自動車部品として再び製品化されることが多いため、この段階での選別精度が再資源化の品質を左右します。磁選で除かれた鉄以外の金属や素材については、さらに比重分離や電気選別などの複数の方法で分別されていきます。
分別された金属素材はナゲット処理機にかけられ、粒状に成形されます。いわゆるメタルナゲットと呼ばれるこの状態は、製鋼所や非鉄金属精錬所にとって扱いやすい中間素材であり、再資源としての価値も高くなります。ナゲット処理によって成形された金属は、次の段階である溶解処理に備え、輸送効率の高い形へと整えられます。
最終的には、各素材が専門の製錬・製鋼施設へ送られ、高炉または電気炉で再び溶かされ、新たな鉄鋼製品や金属素材として生まれ変わります。これにより、自動車の主要構成部品であった鉄やアルミは、建設資材や新車ボディ、家電筐体などさまざまな用途に再利用されることになります。
以下に、プレス後の再資源化フローをわかりやすく整理した表を掲載します。
プレス後の再資源化過程
工程名 |
使用機器・装置 |
主な処理内容 |
得られる資源・成果物 |
破砕(シュレッダー) |
スクラップシュレッダー |
圧縮車体を粉砕して素材別に分離しやすくする |
細粒化された混合スクラップ |
磁選 |
磁力式選別装置 |
鉄系金属を回収(磁石で吸着) |
鉄スクラップ、鉄鋼原料 |
比重・電気分離 |
空気分離、誘導電流選別機など |
非鉄金属(銅、アルミ、亜鉛)などの選別 |
非鉄ナゲット、合金素材 |
ナゲット化処理 |
ナゲット処理機 |
金属を粒状に成形して再資源化しやすくする |
メタルナゲット(鉄・非鉄) |
再溶解・製鋼 |
製鋼所、高炉・電気炉 |
鉄や非鉄金属を溶かして新素材に加工 |
新しい鉄鋼材、再生金属製品 |
プレス機の導入を検討している法人や個人が注意すべき点
廃車処理やスクラップの圧縮業務にプレス機を導入しようとする法人や個人にとって、最も重視すべき点は法令の遵守と必要な許認可の取得です。特に、自動車を廃棄物として処理する場合には、自動車リサイクル法廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)など、複数の法的な義務が関係します。これらを正しく理解し、法的枠組みに則った処理を行わなければ、重大な法令違反として行政処分や刑事罰の対象になる可能性があります。
自動車リサイクル法では、使用済み自動車の再資源化や適正処理を促進するために、廃車を取り扱うすべての業者に対して引取業フロン類回収業解体業破砕業といった業種ごとに登録・許可が求められています。たとえば、プレス機を導入して自動車の車体を圧縮しようとする場合、それが再資源化の一環であれば解体業の許可が必要になる可能性があり、その業務内容が破砕に該当する場合は、さらに高度な処理施設として破砕業の許可が求められることになります。
加えて、廃棄物処理法に基づく産業廃棄物処理業の許認可も必要となる場合があります。特にスクラップの保管・圧縮・運搬・中間処理などの業務を行う場合には、都道府県知事の許可が必要です。許可を得ずに事業を開始すれば、無許可営業とみなされ、罰金刑や事業停止命令などの行政処分が科せられるリスクがあります。さらに悪質と判断された場合には、懲役刑が適用されることもあるため、法的リスクは非常に高いといえます。
また、処理の過程でフロン類が含まれるエアコン、冷却装置などを取り扱う場合はフロン回収・破壊法の対象となり、回収や処理を行う作業者は、専用の資格を保有している必要があります。フロンは大気中に放出されると温暖化やオゾン層破壊の原因になるため、その取り扱いには細心の注意が求められます。廃車に搭載されたカーエアコンにもフロンが含まれているケースが多く、回収業務を行う際には登録と法定講習の受講が必須となります。
プレス機の導入は、単なる設備投資ではなく法的義務を負った事業構築の一環です。設備の選定、作業員の教育、処理フローの整備、そして何よりも法令への完全な準拠が、業界内での信頼を確立し、持続可能な運営を可能にする重要な土台となります。
まとめ
廃車に関わるプレス機の役割は、単に車体を小さく圧縮するだけではありません。実際には、再資源化を効率化し、金属や樹脂といった素材を高精度で回収するための重要な工程であり、リサイクル法に基づく適正処理の柱でもあります。特に、プレス後に行われる破砕、磁選、ナゲット処理、製鋼までの一連の流れは、環境負荷の軽減と資源循環に直結しています。
スクラップ処理業者にとっては、自社の処理能力や対象素材の特性に合ったプレス機の選定が、収益性と安全性の両立に大きく関わります。三方締、二方締、小型タイプなど、圧縮方式ごとに異なる機能と設置要件があり、誤った選定は作業効率の低下や想定外の維持コストを招くことになります。
もし、今後の事業拡大やSDGsへの対応を見据えてスクラップ処理を強化したいとお考えなら、プレス機の選定は単なる設備投資ではなく、資源循環型社会を構築する第一歩といえるでしょう。自社の用途と現場に最適な一台を見極め、リサイクル効率と作業環境の最適化を同時に図ることが、今後の競争力を左右するカギになります。放置すれば年間で数十万円規模の損失につながることもあるため、機械選びは慎重かつ戦略的に行うべきです。
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よくある質問
Q.スクラッププレス機の導入で最も重要な確認ポイントは何ですか?
A.スクラッププレス機を導入する際に最も重要なのは、処理対象の寸法と金属のタイプに合った圧縮能力を持つプレス機を選定することです。たとえば、自動車の車体全体を処理する場合は三方締プレス機が適していますが、小規模な金属製品であれば小型タイプでも対応可能です。また、設置場所のスペースや地盤の強度、電力容量、日々の投入量も確認すべきです。プレス能力だけでなく、長期的なリサイクル効率や成型品の品質にも直結するため、現場環境に合ったタイプ選びが欠かせません。
Q.プレス後のスクラップはどのように再資源化されるのですか?
A.プレス機で圧縮されたスクラップは、破砕機にかけられたのち磁選やナゲット処理を経て、最終的に製鋼所での溶融工程へと進みます。この一連のサイクルにより、鉄や非鉄金属は資源として再利用され、自動車製品や建材などの新たな製品に生まれ変わります。特に磁選や破砕といった中間処理では、金属ごとの選別精度が求められるため、プレス機による圧縮が均一であることがその後の工程に与える影響は非常に大きいといえます。
Q.三方締と二方締のプレス機にはどんな違いがありますか?
A.三方締プレス機は上下左右の三方向から圧縮するため、より高い密度の成型品が得られます。廃車のように寸法が大きく剛性のある金属を処理する際に優れており、資源回収率の向上にも貢献します。一方、二方締は左右方向からの圧縮に特化しており、処理サイクルが短くなる傾向があるため、薄物金属や軽量素材向けに適しています。用途に応じた機械の選定は、圧縮効率やリサイクル工程全体のタイムにも関係する重要な要素です。
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